今回のボトルは生産者とのこれまでの親交の中で、特別に譲り受けたとびきり貴重な長期熟成原酒。コニャックの生産地域は土壌の違いにより6つに分類されますが、今回はファン・ボア地区より、ダムジャンにて保管されていた特別な逸品です。
1955年蒸溜の原酒と1922年蒸溜の二種類の原酒がブレンドされています。
平均熟成年70年以上を経た偉大な古酒原酒。その存在自体が極めて貴重になりつつある歴史的遺産とも言えるコニャックです。
※長期熟成の素晴らしいボトルの際に使用される、薄く青い色の差した手吹きのボトルです。気泡が入っておりますが予めご了承ください。
Commented by Guilhem GROSPERRIN
この非常に古いコニャックは、この極めて希少なコニャックは、マタ近郊を拠点とする葡萄栽培家一族が遺した長期熟成コニャック原酒です。
この遺産から生まれたストックは、生産者の手で丁寧に誠実に、長い時間をかけてブレンドされ、ダムジャンで静置されていました。薪の火で加熱を行い、非常に小さな蒸留器で蒸留され、湿った土のセラーで長期間熟成されています。
このコニャックは、熟成中に若干の水を加えて強さを弱めた以外は、瓶詰めのために特別な処理や他のいかなる要素も加えていないことを証明します。並外れた貴重な原酒を購入する機会に恵まれた我々が遺産を継承して、その素晴らしいコニャックを次世代の為に繋げていきます。
過ぎ去った時代に思いを馳せて、ゆっくり楽しんでいただきたい極めてレアなストックです。専用レザー袋入り。
【テイスティングコメント】
香り︓ストレートでクリーンな香り立ちは、熟成したファンボア地区のコニャックの典型的な特徴を備えている。デリケートなランシオ。南国果実感、きめの細やかなシルキーで複雑で素晴らしいアロマ。カシスのつぼみ、レッドカラント、チェリーを思わせる力強い赤い果実の香り。
味わい︓口に含むと、素晴らしい熟成感。白檀、杉、胡椒のスパイシーなノートから、カシスの驚くべきフルーティーなニュアンスと妖艶なアロマ。心地良い余韻を感じながら、エキゾチックな南国果実、マスカット、深く淹れた夏摘みダージリン紅茶。
余韻︓素晴らしい熟成感と陶酔感。非常に複雑、熟したカシス、バラの花、長く複雑でナツメグ、葉巻や上質なレザー、スパイス&スモーキーさが感じられる。

グロペランブランドを有する「ラ・ガバール社」はフランス西部シャラント・マリティーム県下、シャラント川左岸にあるフランス最古の町のひとつで交通の要地として発達したサントに本社を構える、1992年創業のネゴシアンです。
先代のJean Grosperrin(ジャン・グロペラン)氏は地元シャラントで、コニャックやワインを商社に紹介する生産者との仲介役を担ってきました。
そのビジネスの中で、日々家族経営の小さな蒸留所を訪ね、色々な生産者を商社に紹介していく傍ら、同氏は各セラーで卓越したコニャック原酒が眠っていることに気が付きます。
そうした優良原酒が大手メーカーに買われ、膨大なブレンド用の一原酒として消えていくのを常に目の当たりしており、いつしかそれらを主役として
扱いたいという思いにかきたてられました。
その後ほどなくして、価値を理解してくれる人達にそれらを届けたいという想いから、自ら最良の原酒達を買い付け始め、今あるグロペランの礎が築かれていきます。
その熱い想いは、1992年に良い原酒が集まり満を辞してラ・ガバール社を設立することで実を結び始めます。
1999年には遂に、それらコレクションを販売すべく、「ジャン・グロペラン コニャック コレクション」が誕生。これまで眠っていた素晴らしい原酒が少しずつマーケットに開放され始めたのです。
2004年からは息子のGuilhem Grosperrin(ギレム・グロペラン)氏も合流。先代の意思をしっかり受け継ぎ、今では同ブランドの販売を一手に担っています。
ギレム氏はオールジャンルのスピリッツに精通しており、もの静かな人柄ながら、哲学と信念も持った職人気質に溢れています。
さらには卓越したテイスティング能力と、樽の選定能力を持ち、そのセンスは現地の業界内でもサラブレッドのように光るものを感じさせます。
ブランド自体の歴史は浅いですが、それまでの過程で構築してきたコネクションや経験値が根底を支える、今後の動向も注目される質実剛健のネゴシアンです。