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お世話になっております。

SHINANOYA NET SHOP(あ)こと、SHINANOYA ウイスキーチームの秋本です。
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本日のナイトブログは、信濃屋ハードリカーチームの社内研修として、
今月7月に訪れました、養命酒製造株式会社 駒ヶ根工場見学の様子をお届けします♪
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”薬用養命酒”で日本全国で広く知られる、養命酒製造株式会社様のご協賛を頂き、
信濃屋各店のハードリカー担当者を中心に、その製造プラントの本拠地である
長野県駒ケ根は、駒ケ根工場へ工場見学に行って参りました。


すでにご存知の方も多いはず、今年の三月一日に発売された
新しい日本のクラフトジン「クラフトジン 香の森」を製造しているのが、
そうここ、駒ケ根工場であり、養命酒製造株式会社さんなのです。


以前、弊社新宿店ハードリカー担当者:仲塚も
この「香の森」にフォーカスをした特集記事を書いています

が、美味いです。
実は、(あ)も「香の森」を家でよく炭酸割で飲んでいます!


今回は、「香の森」のさらなる魅力に気づく旅(仕事)ということで
実際に現地に足を運んでみて、現地で知りえた情報や発見をお伝えできればと思います!


*養命酒製造株式会社のジン関連のラインナップ。中央が「クラフトジン 香の森」。右が「香の雫」、左は、香の雫をベースに、二種類のグレープフルーツやローズマリーなどを加え、よりカジュアルに楽しめる「クラフトジンカクテル」
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◆クラフトジン 香の森◆

早速、今回の香の森をはじめとした、
養命酒製造のジンづくりの現場レポートからお送りいたします。


敷地面積約36万㎡という広大な敷地の中、
ジンの製造施設は、左奥まった建物で行われていました。

まずはそこまで工場内を歩いて向かいます。

今まで(あ)が訪れたことのある日本のクラフトジンの製造現場は
副業的な経緯でクラフトジンを製造している場合が多く
その企業のメインの製造ラインが”何”であるかによっても
蒸留所の雰囲気に、独自の個性のようなものが出てくる

と感じています。

今回の駒ケ根工場は、同社のメイン製品である、養命酒が医薬品であるという特徴から、
きわめて徹底した衛生管理を求められる経緯があり、
山麓に整然と並び立つ、工場内の真っ白な建物には今までの蒸留所の施設とはまた一味違った、
独特の雰囲気、がある蒸留所でした。



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◆蒸留PART◆
駒ケ根工場の「クラフトジン 香の森」蒸留パートについてのまとめです。

一口に蒸留と言っても、
蒸留所にはそれぞれ様々な蒸留器があり、蒸溜方法も様々です。

とりわけ、基本的に樽で熟成をしない
スピリッツであるジンの分野においては、
その個性を決める大きな要素として、
①蒸溜方法
②使用しているボタニカル・もしくは原料

があると感じています。


とくにクラフトジンにおいては、
その二つの要素で大手や他社への差別化がされていることが多いです。




工場内の蒸留設備を見学しました。
内壁もすべて、真っ白。蛍光灯。
最低限のダクトやパイプ管が壁面を這っています。

衛生的なラボのような、小さな空間で蒸留が行われています。



こちらが、養命酒製造でジンを製造する際に使用している蒸留器。

左のふくらみのあるシェイプのものが単式蒸留
右の縦長の覗き窓がたくさんついているスチルが連続式
どちらも異なるタイプの蒸留が可能です。

連続式の蒸留器の方は、内蔵銅板(シーブトレイ)を組み合わせて利用することで、
より純度の高いアルコールの生成が出来るスペックですが、
現在は、左側の単式のみ使用しているとのこと。

また中央の後方に、
ヴェイパーインフュージョン用のバスケットも見て取れますね。

クラフトジン製造の際、柑橘やクロモジ細枝など、
使うボタニカルの性質や抽出したい用途に応じて、
使用しています。





ドイツのアーノルド・ホルスタイン社製ハイブリッドスチルです。
ジンの製造では導入している企業が多く、また一部ウイスキーでも導入しているところがあり、
様々なスピリッツの蒸留に使われています。今回は、内容量600リッターのサイズ。

「アーノルド・ホルスタイン社製」の最大の利点は、
専用のカスタマイズパーツを多く取り揃えているので
蒸留を続けていく中で、修正点が出てきた際などに後でも対応しやすいことです。
また設備の導入までの待ち時間の短さもポイント。

この一基で、クラフトジン 香の森・香の雫 を製造しています。


蒸留担当の方に聞いた話によると、
現在のこちらでの製造ペースは、基本的には、「一日一蒸留」

いわゆる、ヘッドとテールの部分は使用しておらず、
ハートの部分のみ、を製品に使用しています。

日本酒でいう、吟醸酒の精米歩合のように
蒸留前の液の約60%程度にあたる部分しか使っていません。
味を重視した、贅沢なつくりです。

また、シップスミスやそのほかのクラフトディスティラリーの多くと同じく
蒸留のミドルカットのタイミング官能で決めているそうです。
正に、クラフトディスティラリーらしい、エピソードですね。


◆蒸留工程について◆
マニアックな方の為に、蒸留のプロセスについても簡単にご説明。

蒸留の前日にマセレーションした(浸漬した)原液を単式蒸留。
→ヴェイパーインフュージョンのバスケットを通過→冷却(チル)→タンクで貯蔵。


*浸漬に使う蒸留液は、サトウキビ原料のスピリッツを使用しています(レア!)



こうして製造した、香の森のベース OR 香の雫のベース



クロモジの細枝をさきほどのバスケットを使って、ヴェイパーインフュージョンで抽出した、クロモジのみの単一の蒸留液、クロモジエッセンスをブレンド
その後、仕込み水で加水調整して、ボトリングに至ります。

ボトリングやラベル貼りは、手作業で行っているそうです。
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◆ボタニカルについて◆

次に、ジンの個性を決める、もう一つの大きな要素である、駒ケ根工場の「クラフトジン 香の森」ボタニカルについてのまとめです。

400年以上ものあいだ、生薬のスペシャリストとして、
”薬酒”を作り続けてきた、養命酒製造。

生薬では烏樟(ウショウ)として知られ、
薬用養命酒にも使用されている、
日本固有種の高級香木「クロモジ」にフォーカスしたレシピは、
養命酒製造の「クラフトジン 香の森」を特徴づける、最も大きな個性です。






普段、なかなか耳にしないクロモジという香木。
どんな香りなのか、実際にクロモジの実物に触れて、体験しました。

クロモジの細枝を、少し折ると、より香りが立ちます。

体験してみたクロモジの印象は、非常にいい香り。

新緑の渓流や雨に濡れた松の針葉
をイメージするような碧さのある爽快な香り
それでいて、どこか心を落ち着かせてくれる古いお寺や上品なお香のような香り でした。



*クラフトジン 香の森・香の雫で使用されているボタニカルのサンプル。

「クラフトジン 香の森」18種類
「クラフトジン 香の雫」11種類(黄色いシール)
でそれぞれに異なったボタニカルを使用しています。

どちらも、クロモジを主軸としたレシピ構成ですが、
「香の雫」では、フレッシュのレモンピールを使っている点が、
「香の森」との異なるポイントで、
ジントニックやフィズなどの果汁を使ったカクテルにより向くような仕上がり。

またリッチなテイストを生み出してくれる、
コリアンダーシードキャラウェイ
リコリスが使用されていることで
香の森よりも低い度数でありながら、
しっかりとした酒質になっています。





現地で見聞した話ですが、東洋医学には、「修治(しゅうじ)」という考え方があり、抽出方法や原料の大きさ、加工の方法によって、その生薬が持っている薬効や個性を最も良い形で引き出す、という教えです。

この”修治”の考え方を用いて生薬での長年の知見を、クラフトジンの製造にも活かし、各ボタニカルごとに抽出方法を変えている点も「クラフトジン 香の森・香の雫」の大きな個性。


特に、クロモジは、最も中心的な香りを構成しているボタニカル

・太枝(蒸留)
・葉(マセレーション)
・細枝(ヴェイパーインフュージョン)
と、それぞれ異なった大きさで加工、それぞれにあった抽出方法でアロマを引き出す

というボタニカルへの理解があってこその、こだわりぶり




こちらのどんな質問に対しても、誠実にご対応頂きました。
ご担当者様、ご丁寧なご説明、ありがとうございました。

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◆商品開発者:入江さん◆

蒸留所の見学をさせて頂いたあとは、
「クラフトジン 香の森」の開発を担当した、生みの親
商品開発センター主任研究員の 入江 陽 さんに直接お話を伺うことが出来ました。


入江 陽 さん

足掛け二年をかけ、社命であるクラフトジンを開発した入江さん。


薬酒やボタニカルについては、豊富な知識をお持ちですが、ジンの製造は、独学。 
蒸留経験がゼロの状態からのクラフトジン製造は、手探りの状態で大変なことも多かったことでしょう。


様々なジンを試飲することに加え、国内外の蒸留所・生産者の下へ実際に訪れて、
直接、担当の技術者から、ジンの製造の見聞を深めていかれたそうです。



*関連記事(養命酒製造株式会社HPより)
◆「香の森」 発売記念!クラフトジン先進国イギリス・イタリア訪問記
https://www.yomeishu.co.jp/health/3647/



入江さんによると、
クラフトジン 香の森を造るにあたって
大事にしていたポリシーは、二つ。

・「クロモジ」をメインボタニカルに据えたレシピの開発。
・また割っても、存在を感じることができる程よい重厚感




養命酒の主要原料である、クロモジを活かすブレンド、レシピを重視
クロモジの香りがはっきりと個性として感じられるように、ボタニカルを選別。
試験蒸留も350回行ったのち、香の森のレシピを確定したとのこと。

柚子などの和柑橘を使ったレシピも試したものの、クロモジなどの香木系のアロマを邪魔してしまう。また、浸漬の際のベーススピリッツにライススピリッツやコーンスピリッツも試したものの、単体では美味しいが、結果クロモジをマスクしてしまう。
サトウキビ原料のスピリッツを使用しているのは、ジンに仕立てたとき、クリアで雑味の少ない仕上がりになるから。

クロモジを活かすブレンド、レシピに徹底的にこだわっています。

そして、重厚感については、実際にジンを使うバーテンダーの方々からの生の声を取り入れたもので、炭酸やトニックで割っても、ジンの存在感を残せる強さを合わせ持つように、レシピを工夫したとのことでした。



また入江さん曰く、ジンの開発にあたって、
仕込み水にも非常に助けられたとのこと。

中央アルプスに磨かれた、仕込み水は地下150メートルからくみ上げられ、硬度18度の超軟水で、ミネラルウォーターとしても販売されています。すっきりしていながら、口当たりが優しく、甘やか。

試験蒸留のテストの際、試しに、硬水と仕込み水を割水に使って比較してみたところ、
硬水の方は、アルコールの刺々しさがなかなか収まらなかったのに対して、
仕込み水の方はジンとの相性が良く馴染み、アルコール感が良く伸び、水の甘さがジンにもうつる、ような感覚があり、「本当にいい水なんだな」、と思ったのことでした。


*今回の「クラフトジン 香の森」について、「ウイスキーガロア 4月号」で取り上げられた特集記事が非常に優れていて、参考になります。入江さんも登場しています。

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入江さんのオススメの飲み方は、

「香の森のソーダ割」

氷を入れたグラスに香の森を注ぎ、
ソーダでアップするだけ。

非常にシンプルな飲み方ですが、
炭酸を加えることで、クロモジの香りが立ち昇り、
ライムやレモンがなくても、美味いです。


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養命酒製造 クラフトジン 香の森

価格 : 4,500 円(税込 4,860 円)


是非、「クラフトジン 香の森」を一度試してみてください。

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それでは今回のブログはここまで。

みなさまの"酔い"夜をお祈りして♪
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